カテゴリー別アーカイブ: 食卓

国境の味

スペイン・バスク地方のレストラン「アスルメンディ」のセカンド、西麻布の「エネコ」で家族のお祝いの夕食をとった。店に着くと、グリーンハウスというダイニングとは別の場所に迎えられ、アペリティフ。ハーブやスパイス、草花が設えられた空間で、パセリでできたバルキートや、ローズマリーで香りづけしたシードルなど味わい、2階のダイニングへ。

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レンズ豆

締め切りが迫っていた長い原稿を仕上げた。家で仕事をしていると、自覚的に時間の管理をしないとあっという間に1日が終わり、なんだか忙しい気がしただけで、大したことはしていなかった、という事態が頻発する。通勤していても、家事と仕事の両立は一つの課題だが、同じ場所で目の前に二つが並んでいると、取り組み方が違う。オフィスに行ってしまえば、部屋が片付いていなくても帰宅するまで手はつけられないから仕事に集中できるけれど、家にいると何となく先に片づけたくなったりして、優先順位を間違うことがある。だから、今日は掃除も洗濯もあと回し、と決めて仕事を始めたら、一区切りつくまで家事は「見ない」ようにする。

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柿のタルト

昔はあまり柿を食べなかった。果物なら桃とか梨、いちごの方が好きだし、柿はお菓子作りにも向かないと勝手に思っていた。ところが、バターでソテーした柿の味をフランスで知ってハマってしまった。


もちろん柿はアジアの果物だけれど、最近はパリの市場でも季節になるとkakiとして売っている。えびす南瓜もHokkaidoという名前で出ている。

柿は形が崩れないようにそっとバターでソテーして、シナモンやカルバドスで香りづけ。甘すぎないようにブリゼ生地を作って、これにソテーした柿を並べて焼く。

オーブンから漂う甘い香りは、在宅仕事のちょっと内向きなストレスを穏やかに流してくれる。焼きあがる前にコーヒーを淹れて、焼きたてのタルトでお三時。おやつ作りはちょっと時間を取るけれど、食べる家族の笑顔にも癒される。