月別アーカイブ: 2018年2月

Ma vie de courgette

虐待や移民の親の強制送還など、さまざまな事情で施設で暮らすようになった子供たち。その心の動きを鮮やかに描いた、「ぼくの名前はズッキーニ」の上映が始まった。人形を使ったストップモーション・アニメーションの温かさと朴とつとしたセリフは、困難に立ち向かう子供たちに向けたエールでもあるが、人形がフレームごとに刻んでいく気持ちの動きは、緩やかでありながら鮮烈。大人の心もわし掴みにする作品だ。

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Le lion est mort ce soir – ライオンは今夜死ぬ

人は記憶の生き物だ。積み重ねる記憶が“豊かさ”であり、その豊かさの種を探して未来を生きようとする。人生も終盤に差し掛かる頃、考えるのは「死」だ。「人生で一番楽しいのは70歳から80歳だ。自分が何者でもないと知り、そして待つんだ。出会いを」。死を見つめる主人公の言葉が、生き生きと「生」の意味を抉り出す。映画「ライオンは今夜死ぬ」は、観る者に生と死、そして記憶の意味を考えさせてくれる。

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